Future Coffee Farmのロブスタを2種類飲みました。Winey Naturalのミディアムでは、赤ワインや黄な粉を思わせる香りと、黒蜜のような後味。Full Washedのシティでは、カカオや黒糖を思わせる重厚な苦みと甘みが印象に残りました。
5つの強さを、見比べる。
項目に触れて、強さと味のメモを見る。豆の名前で輪郭を強調。
5点満点の強さ。中心が0、外側ほど強い。
甘み
5項目の数値を一覧で見る
| 項目 | Winey Natural | Full Washed |
|---|---|---|
| 酸味 | 2 | 0 |
| 苦み | 4 | 5 |
| 甘み | 4 | 5 |
| コク | 4 | 4 |
| 香り | 4 | 3 |
酸味・苦み・甘み・コク・香りは、僕が感じた強さを5点満点で記録したものです。点が高いほど、その特徴を強く感じたという意味で、おいしさや好みの順位ではありません。
通常はカッピング。Winey Naturalはミディアム、Full Washedはシティの記録です。
どちらもロブスタですが、僕の記録に残った味の言葉はずいぶん違います。この記事では、それぞれの香り、味、口あたりに加え、日を置いた変化やエスプレッソで感じたことまで振り返ります。
今回飲んだFuture Coffee FarmのFine Robusta 2種類
レビューするのは、Future Coffee FarmのFine Robusta(ファインロブスタ)、Winey NaturalとFull Washedです。どちらも購入店は8coffee。今回の対象はロブスタで、同じ農園名で扱われるアラビカのレビューではありません。
| 記録した項目 | Winey Natural | Full Washed |
|---|---|---|
| 豆の名前 | Future Coffee Farm Fine-Robusta Winey Natural | Future Coffee Farm Fine-Robusta full-washed |
| 生産国 | ベトナム | ベトナム |
| 種類 | ロブスタ | ロブスタ |
| 精製名 | ワイニー・ナチュラル | ウォッシュド |
| 焙煎 | ミディアム | シティ |
| 購入店 | 8coffee | 8coffee |
通常の味は、一般的なカッピングの手法でテイスティングした感想です。エスプレッソについては、特記がない限り単体で飲んだ記録です。2種類は焙煎度も異なるので、同じ条件で精製方法だけを変えた飲み比べではありません。実飲時期は不明です。
Winey Natural(ワイニーナチュラル):赤ワイン、黄な粉、黒蜜。ダンディな味わい
Winey Naturalでまず印象に残ったのは、芳醇な甘い香りでした。アロマのメモには、次の言葉を残しています。
赤ワインや黄な粉、黒蜜、クローブのような芳醇な甘い香り
味わいは、ライトボディの赤ワインと黄な粉。アフターには黒蜜の甘さが残りました。エチオピアのアリーチャなどの芳醇さを連想させながら、そこから酸を抜いたような、ダンディな味わいです。僕には、アラビカとは違う個性に感じられました。
口あたりは、ほどよいとろみとシルキーさ
味の重さだけでなく、舌の上にどう乗るかも印象的でした。マウスフィールは「ほどよいとろみで舌を包み込むシルキーテイスト」。甘い香りと黒蜜の余韻に、このなめらかさが重なります。
日を置くと、スモーキー&スパイシーな表情に
エイジング後には、雑味が抜けて深みが増し、スモーキー&スパイシーなニュアンスが現れたと記録しています。最初の赤ワインや黒蜜という言葉だけでは収まらない変化でした。
「西荻の喫茶店で出てきそう」。そんな言葉も残しています。日を置いて現れた、落ち着いた深みが印象に残りました。何日置いたかは記録がないため、飲み頃の日数を示すものではありません。
エスプレッソの記録は、ミルクチョコとホワイトチョコ
Winey Naturalをエスプレッソ単体で飲んだときは、「すごいミルクチョコというホワイトチョコ感」と書いていました。カッピングのメモにある赤ワインや黄な粉とは別の、チョコレートを連想する表情です。
Full Washed(フルウォッシュド):カカオと黒糖。重厚なのに後味はスッキリ
Full Washedのシティローストは、カカオや黒糖を思わせる、重厚な苦みと甘み。酸味はほとんど感じませんでした。香りのメモも、端的に「カカオ」です。
苦みがしっかりある一方で、えぐみはなく、後味はスッキリ。ロブスタの野性味あふれるコクが、心地よい余韻として残りました。「苦い」という一語だけでは、この飲み口は伝えきれないと思います。
口あたりには、ザラメのようなざらつきと長い余韻
マウスフィールには、少しザラメのようなざらつきがありました。ただ、不快感はなく、長い余韻となって口全体に広がる感覚です。Winey Naturalで感じたシルキーさとは違う、手触りのある口あたりでした。
エスプレッソでは、クレマとスコッチウイスキーを思わせる香味
エスプレッソで最初に書いたのは「クレマがすごい」。香味はスモーキーで、モルトやピートを感じるスコッチウイスキーのようでした。
この2種類を飲んだ記録から、どう選ぶか
今回の記録を手がかりにするなら、赤ワインや黄な粉、黒蜜を連想する芳醇さ、シルキーな口あたりに興味がある人にはWiney Natural。カカオや黒糖を思わせる重厚な苦みと甘み、スッキリした後味、エスプレッソの力強さに興味がある人にはFull Washedが気になる候補になりそうです。
僕にとって、この2種類の面白さは、同じロブスタという名前の中に、違う味と口あたりがあったことです。Winey Naturalは日を置いた変化も含めて味わう面白さがあり、Full Washedは重厚な苦みと甘み、スッキリした後味が印象に残りました。
購入時には精製名に加えて、焙煎度と販売店が示すそのロットの説明も確認したいところです。ここに書いた感想が、別の焙煎や現在販売されている豆でもそのまま再現されるとは限りません。
Future Coffee Farmとは? トイさんが取り組むベトナムのコーヒー
Future Coffee Farm(フューチャーコーヒーファーム)は、ベトナムのラムドン省バオロクを背景に、コーヒーの品質向上に取り組む農園です。創業者はNguyễn Văn Tớiさん。日本の販売元8coffeeでは、Toi Nguyen(トイ・グエン)さんとして紹介されています。農園の公式紹介、8coffeeの生産者紹介を含む商品ページ
8coffeeが公開している2019年5月25日付のトイさんの手紙には、発酵のための設備を整え、異なる精製方法でロブスタを試した歩みが書かれています。味のメモからその豆の具体的な製法を逆算することはできませんが、気になった香味の向こうに、作り手の試行錯誤があることを知る手がかりになります。トイさんの手紙(PDF・15〜17ページ)
精製名から、工程の違いも知りたくなったら
Winey NaturalとFull Washedという名前を見て、そもそもナチュラルとウォッシュドは何を変えるのか気になったら、精製の解説で、乾燥するときに残す層と工程の順番を比べられます。ナチュラルとウォッシュドの工程を図で見る
ただし、この解説が示すのは一般的な工程です。農園の現在の説明では、2024年以降に果肉除去の工程で水を使わない技術を採用し、Full Washedの生産を制限しているとされています。今回の実飲ロットと同じ工程だったとは確認できないため、一般的な図や現在の説明を、そのまま飲んだ豆の製法としては示していません。農園の現在の精製方針
Future Coffee Farmの豆はどこで買える?
今回の2種類の購入店は、僕の記録では8coffeeです。現在の8coffee公式サイトには、家庭向けの生豆・焙煎豆を扱う案内があります。まずは、飲みたい豆が生豆か焙煎豆か、どの焙煎度で販売されているかを確認すると探しやすくなります。8coffee公式サイト
2026年10月5日に確認した卸販売サイトには、2025/2026のロブスタWiney-NaturalとFull-Washedの商品ページが掲載されています。こちらは生豆の商品で、価格は会員向けの表示です。この記事の過去の実飲記録とは収穫年・ロットの対応が確認できず、ページの掲載だけでは在庫や購入可能性までは判断できません。Winey-Naturalの現行商品ページ、Full-Washedの現行商品ページ
現行の販売元ページでは、コーヒーチェリーの産地と、農園名・精製所としてのFuture Coffee Farmが別々に記されています。「Future Coffee Farmの豆」という名前だけで栽培地まで同じだと考えず、購入する商品の説明で確認してください。
僕の記録に残ったのは、Winey Naturalのダンディな芳醇さと、Full Washedのカカオ・黒糖を思わせる力強さでした。農園名だけでは分からない、この一杯の具体的な味が、次に試す豆を考える手がかりになればと思います。