
キリマンジャロAAは、タンザニアのコーヒー銘柄「キリマンジャロ」に、大粒の生豆の等級「AA」が付いた名前です。
今回は珈琲問屋でキリマンジャロAAを購入し、ミディアム・シティ・フルシティの3つの焙煎度でカッピングを行いました。ラズベリーのような上品な酸味と軽さを楽しむならミディアム、はちみつやナッツの甘みとコクも味わうならシティがよかったです。
キリマンジャロAAとは

キリマンジャロとは、日本の表示規約においてブコバ地区を除くタンザニア産のアラビカ種コーヒー豆を指す銘柄名です。キリマンジャロ山周辺を含むタンザニアのコーヒーが、この名前で親しまれています。
銘柄名に続く「AA」は、ふるい(スクリーン)によって選別された生豆のサイズ等級を表しています。現地タンザニアの等級基準において、AAは大粒に分類される規格です。今回カッピングした珈琲問屋の豆では、スクリーンサイズ18+の大粒豆が採用されていました。
名前の意味が分かったところで、3つの焙煎で私が感じた味を見ていきましょう。
キリマンジャロAAの味と酸味を焙煎別に比較
まずは、カッピングで感じたミディアムとシティの味を並べました。
強さの輪郭を、重ねて見る。
5点満点で感じた味・香りの強さ。中心が0、外周が5です。
2つの実飲記録を重ねて表示。
| 項目 | ミディアム | シティ |
|---|---|---|
| 酸味 | 4 | 3 |
| 苦み | 2 | 3 |
| 甘み | 3 | 4 |
| コク | 2 | 4 |
| 香り | 3 | 4 |
この数値は、私がカッピングを行った際に5点満点で感じた味わいの強さです。
ミディアムは酸味が際立ち、苦みやコクが控えめで非常にすっきりとした仕上がりです。軽やかな酸味と華やかな香りをストレートに楽しめました。対するシティは、心地よい果実味を残しながら、甘み・コク・香りがぐっと増し、はちみつやナッツのような豊かな風味が調和した味わいでした。
ミディアムの味わい

ミディアムの魅力は、ラズベリーを思わせる上品な酸味と、非常に軽やかな飲み口にあります。
香りをかぐと、ブルーベリーのような果実感に、ジンジャーの爽やかなスパイシーさ、ジャスミンの可憐なニュアンスが重なり、上品で華やかなアロマが立ち上ります。
口に含むと、ラズベリーのような上質な酸味が心地よく広がり、苦みや重さはしっかり控えめに抑えられています。その洗練された佇まいは、まさに貴婦人のような風格を感じさせる味わいです。苦みで重たく飲ませるのではなく、上質な酸味と香りを純粋に堪能するための仕上がりといえます。
マウスフィールは非常に軽く、さらりとしていて引っかかりがありません。飲み込んだあとも舌に重さがほとんど残らず、フローラルな香りがすっと鼻に抜けていく爽やかな余韻が印象的です。朝の目覚めの一杯や、気分を軽やかに切り替えたい場面に適しています。
シティの味わい
シティは、ナッティで上品なコクと甘みが調和し、果実感も一緒に楽しめた焙煎度です。
香りを確かめると、可憐な花のニュアンスに加えて、はちみつの甘い香り、香ばしいアーモンドや杏仁を思わせるアロマが漂います。花の華やかさに、蜜やナッツの甘い印象が重なる心地よい香り立ちです。
口に含むと、香ばしいナッツのような上品なコクが広がりながらも、苦みやえぐみはきれいに抑えられていて飲みやすい味にまとまっています。深みのあるコクとともに、はちみつのような甘みと果実の酸味がバランスよく重なり、果実と花の個性も感じられました。
コクがあるのに飲み口は軽く、舌に嫌な感じも残りません。実際に合わせてみたイチゴティラミスチョコパイとの相性もよく、とても美味しく楽しめました。日常のカフェタイムに、豊かな風味をじっくり味わいたい方におすすめです。
フルシティの印象

フルシティは非常に飲みやすく、幅広く好まれそうな味に感じました。
一方で、浅めの焙煎で際立っていた華やかなアロマや、キリマンジャロ特有の明るい個性は弱まっている印象を受けました。また、冷めてくると後半には少し重たさを感じます。豆が持つ繊細な香りと軽やかな果実味を存分に味わいたい場合は、私はミディアムかシティを選びます。
エスプレッソとラテでの印象
カッピングによるテイスティングに加えて、エスプレッソ抽出でも味わいの変化を確かめました。
ミディアムをエスプレッソで抽出すると、柑橘を皮ごと丸ごと絞ったかのような強烈なシトラス感がダイレクトに広がります。鮮烈でインパクトのある酸味です。このエスプレッソを使ってカフェラテを作ってみたところ、ミルクに対してコクが足りないと感じたものの、フレーバー特有の個性はしっかりと残っていました。
一方、シティをエスプレッソで抽出すると、キャラメルやティラミスを思わせる香味を感じられました。
焙煎の選び方
キリマンジャロAAでどの焙煎度を選ぶか迷ったときは、求める味わいの方向性に合わせて選ぶのがおすすめです。私が実飲して感じた特徴をもとに、選び方を整理しました。
| 好み | 焙煎 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 上品な酸味と華やかな花の香りを楽しみたい | ミディアム | 苦みや重さが控えめで、ラズベリーのような酸味が際立つため |
| 甘みやコク、果実味のバランスを味わいたい | シティ | はちみつやナッツの上品なコクがありつつ、飲み口が軽いため |
| 飲みやすさを重視したい | フルシティ | 飲みやすく感じた。冷めると少し重さが出た |
珈琲問屋のキリマンジャロAAと購入情報
今回レビューした豆の基本仕様は以下の通りです。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 生産国 | タンザニア |
| 規格 | AA |
| スクリーンサイズ | 18+ |
| 精製方法 | ウォッシュド |
| 購入店 | 珈琲問屋 |
取り扱い状況や詳細な仕様は、珈琲問屋のキリマンジャロAA公式商品ページ で確認できます。購入時に好みの焼き方を選択できるため、自分の求める味わいに合わせて指定してみてください。
この豆の精製方法はウォッシュドです。ウォッシュド精製の特徴や他の精製方法との違いを詳しく知りたい方は、コーヒーの精製方法の解説記事もあわせて参考にしてみてください。
参考資料
銘柄名の範囲は、コーヒーの表示規約施行規則・別表2 で確認できます。
タンザニアの生豆のサイズ等級は、Good Neighbors Tanzaniaのコーヒー調査報告(35〜36ページ) を参考にしました。